Book of Today #7 大人の流儀 / 伊集院静

伊集院静 時間が解決してくれます。だから、生き続ける。そうすれば亡くなった人の笑顔を見る時が必ずきます…この言葉に静かな動揺

昨年の「海辺のライブラリー」で薦められたこの本に心打たれて

色々な方とお喋りしたりしていると、色々ためになることも多いんです。身近な話題から、ちょっとした相談、手に入れた機器のTips自慢、そしてなによりも本の話題。

「この本、最近で読み終えて、とっても良かったんです」
と手渡されて、チェアに座りページをめくる私の目に入ってきたのが次の文章(長いですが引用させていただきます)。

人間の死というものは残ったものに大きなものを与えます
特に親しい人の死はどこか自分の力が足らずに死なせてしまった悔やんでる人は多いはずです。私もずっとその気持ちは消えません。それに親しい人の死は思わぬ時によみがえって人を狼狽させます。死んでしまっているのだから片づいてもよさそうですが、死ですら片づかないのですから困ったものです。

親しい方を亡くされて戸惑っている方は多いでしょう。私の経験では。時間が解決してくれます。

だから、生き続ける。そうすれば亡くなった人の笑顔を見る時が必ずきます。

伊集院さんって名前はよく聞くけど真剣に読むのは初めてだっただけに、少し動揺してしまいました。短い期間の肉親の死に、いまだに心の折り合いをつけられていない時に、このように言ってもらえたらどんなに良かったのだろか…。残された自分がどう向かうかを静かに伝えてくれます