一瞬ごとに変わっていくものや とどめて置けないこのときを残すためには空と海面だけが必要だった
浦安市出身の写真家、野寺治孝氏が浦安千鳥の岸壁から撮り続けた
東京湾の写真集「TOKYO BAY」(1996年出版)
この写真に初めて出逢ったのは、1995年 舞浜のホテルでの写真展。
確か会社の帰りに舞浜で下車して一人で観に行ったのだと思う。
その時は、正直ちょっとびっくりした。
想像したものとぜんぜん違っていたから。
そこが東京湾だと特定できるような船やビル郡だとかは一切ないのだ。 42枚の写真、そのすべてに写っていたものは、ただ空と海面だけだった。
それから1年後、
都内の書店で写真集となった「TOKYO BAY」と再会した。普段、写真集なんてよほど気に入らないと買わない私だったけれど、なんとなく気になり購入して帰った。
そして、今、
彼が撮りたかったもの、焼き付けたかったものが、やっとわかる気がする。
空のいろ
波のきらめき
一瞬ごとに変わっていくもの
とどめて置けないこのとき
”時が移ろい行く切なさ”
そんなストリーがある一冊の写真集です。海辺のライブラリーで手に取ってみてください■
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